高市政権、数の力で突っ走る?「議論スルー国会」になる恐れ 自民は早速「例年通りの審議時間は不要」

 衆院選を受けた第221特別国会が18日に召集される。衆参両院で第105代首相に高市早苗首相(自民党総裁)を選出。首相は直ちに組閣し、自民党と日本維新の会の連立による第2次高市内閣が発足する。衆院で4分の3を占める「巨大与党」となり、首相は「数の力」を背景に2026年度予算案の早期成立に向けて審議を急ぐ構え。一部野党は反発するが、これまでの少数与党下での熟議の国会とは様相が一変することになる。 (大野暢子)

◆「公約に掲げたことは全部やると言っていた」

 首相は17日の党役員会で「今やるべきは、国民と約束した政権公約を礎に、党がしっかり結束し、結果を出すことだ」と強調。2026年度予算案や税制関連法案などを2025年度内に成立させる必要があると訴え、野党に協力を呼びかけるよう指示した。出席者の一人は「首相はやる気だ。予算だけでなく、『公約に掲げたことは全部やる』と言っていた」と明かす。

17日、自民党の役員会に臨む高市早苗首相(佐藤哲紀撮影)

 新年度予算案は、1月下旬ごろから衆参両院で約2カ月、計百数十時間の審議を重ねるのが通例だ。首相が1月に衆院を解散したため、予算案の審議入りが大幅に遅れる中、3月末までに成立させようとすれば、審議時間を大幅に減らさざるを得ない。国会質疑を通じて予算の内容や政策の問題点を掘り下げて国民に伝えることも難しくなる。

◆「政治とカネをやりたいなら政倫審で」

 立憲民主党の斎藤嘉隆参院国対委員長は記者団に「国会の自殺行為だ。独裁の第一歩ではないか。良識の府だし、十分な審議に徹底して取り組みたい」と訴えた。

17日、自民党役員会に臨む高市早苗首相。左は鈴木俊一幹事長、右は麻生太郎副総裁(佐藤哲紀撮影)

 首相に近い党幹部は意に介さず、「予算委を日程闘争から理論的な審議の場に変えるべきで、例年通りの時間は必要ない。『政治とカネ』の問題を質問したければ、政治倫理審査会でやればいい」と言い放つ。

◆予算委も憲法審も与党ペースの議事に

 国会の様変わりを象徴するのが、衆院に計27ある常任・特別委員長や審査会長のポストだ。与野党の勢力が伯仲していた際は一定数を野党に配分していたが、今後は与党が大部分の25を占める。自民は論戦の主舞台となる予算委や、首相が意欲を示す改憲を論議する憲法審のトップのポストを奪還し、与党ペースの議事進行が可能になる。

 自民の石井準一参院幹事長は記者会見で「参院が少数与党である状況は変わっていない。謙虚で丁寧な国会運営を心がけたい」としつつも「年度内成立の首相の強い思いは確認している。思いをしっかり受け止めて審議に入っていければいい」と述べた。

 民主党政権時の2010年3月に「与野党の圧倒的な議席数の差から、国会運営も強硬な民主党のペースで進んでしまい、多くの課題を残した」と自身のブログに記していた首相。数の力に頼ってスピード優先の審議となれば、過去の発言の整合性を問われかねない。

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