40歳~50歳代の貯蓄「働き盛り世帯」みんなの中央値はいくら? 平均からは見えない現実《老後資金は後回し?》
- 40歳~50歳代の貯蓄「働き盛り世帯」みんなの中央値はいくら?
- 【40歳代 二人以上世帯】貯蓄額の平均・中央値《世帯差にも着目》
- 【50歳代 二人以上世帯】貯蓄額の平均・中央値《世帯差にも着目》
- 【40歳代~50歳代】教育費が家計を支配する年代――老後資金が後回しになる構造
- 【気になる老後】65歳以降、引退後の生活費《夫婦ふたり暮らしなら》ひと月約25万円の試算も
- 「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の家計収支
- 65歳以上の夫婦のみの無職世帯:毎月の収入
- 65歳以上の夫婦のみの無職世帯:毎月の支出
- 【50歳代からの老後資金準備】新NISAも選択肢のひとつに
- 年率3%で運用50歳から65歳「毎月3万円」で積立投資シミュレーション
- インフレ対策を視野に入れた資産づくりを
- NISAのメリットとは?
- まとめにかえて:老後資金を現実的に考えよう
65歳以降、引退後の生活費《夫婦ふたり暮らしなら》ひと月約25万円の試算も

40歳~50歳代の貯蓄「働き盛り世帯」みんなの中央値はいくら?平均からは見えない現実《老後資金は後回し?》
会社員として働く40歳代・50歳代は、生涯賃金の中でも収入水準が高くなりやすい一方で、家庭環境によっては教育費や住宅関連費などの支出が膨らみやすい時期でもあります。
収入と支出の双方が大きく動き、「お金の回転が最も激しい世代」と言っても過言ではありません。
新しい年が明けた1月から、年度の切り替わりを迎える2~3月にかけては、家計を見直す良いタイミングです。
この時期になると、「同じ世代の人はどのくらい貯蓄しているのだろう」と気になる方も多いでしょう。また、リタイア後の生活費や老後資金について、具体的に検討し始める人が増える時期でもあります。
そこで本記事では、40歳代・50歳代世帯の貯蓄状況と、リタイア後世帯の家計収支データをもとに、老後を見据えた資産づくりの考え方を整理していきます。
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40歳~50歳代の貯蓄「働き盛り世帯」みんなの中央値はいくら?
まずは、40歳代・50歳代世帯の貯蓄状況について確認していきましょう。参考にするのは、J-FLEC(金融経済教育推進機構)が実施した「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」です。
【40歳代 二人以上世帯】貯蓄額の平均・中央値《世帯差にも着目》

40歳代・二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産非保有世帯含む)
40歳代・二人以上世帯
平均:1486万円
中央値:500万円
・金融資産非保有:18.8%
・100万円未満:10.0%
・100~200万円未満:6.2%
・200~300万円未満:5.1%
・300~400万円未満:4.4%
・400~500万円未満:2.6%
・500~700万円未満:7.3%
・700~1000万円未満:6.1%
・1000~1500万円未満:9.7%
・1500~2000万円未満:6.5%
・2000~3000万円未満:8.2%
・3000万円以上:13.1%
・無回答:2.1%
40歳代の二人以上世帯における金融資産保有額を見ると、平均は1486万円、中央値は500万円となっています。
内訳を確認すると、金融資産をまったく保有していない世帯が18.8%を占める一方で、1000万円を超える資産を持つ世帯も一定数存在しています。この結果から、資産を多く保有する一部の世帯が平均値を押し上げている構図が見えてきます。
こうした状況を踏まえると、「平均額」よりも「中央値」のほうが、一般的な世帯の実態に近い指標と言えるでしょう。
【50歳代 二人以上世帯】貯蓄額の平均・中央値《世帯差にも着目》

50歳代・二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産非保有世帯含む)
50歳代・二人以上世帯
平均:1908万円
中央値:700万円
・金融資産非保有:18.2%
・100万円未満:6.5%
・100~200万円未満:6.4%
・200~300万円未満:4.1%
・300~400万円未満:3.5%
・400~500万円未満:2.2%
・500~700万円未満:6.7%
・700~1000万円未満:7.7%
・1000~1500万円未満:9.3%
・1500~2000万円未満:6.1%
・2000~3000万円未満:8.1%
・3000万円以上:18.8%
・無回答:2.2%
続いて、50歳代の二人以上世帯です。金融資産保有額の平均は1908万円、中央値は700万円と、40歳代と同様に大きな乖離が見られます。
特に注目したいのは、金融資産非保有世帯が18.2%に達している点です。また、貯蓄額が500万円未満の世帯は40.9%と約4割を占めています。
一方で、3000万円以上の金融資産を保有する世帯も18.8%存在しており、50歳代では貯蓄状況の二極化がより鮮明になっていることが分かります。
教育費や生活費の負担が重なる中で、思うように貯蓄を積み上げられない世帯が少なくない現実が浮かび上がります。
40歳代・50歳代のいずれにおいても、平均値が中央値を大きく上回っている点から、貯蓄額のばらつきが大きいことが確認できます。
こうした実態を踏まえると、リタイア後を見据えた計画的な資産づくりの重要性が一層高まっていると言えるでしょう。
【40歳代~50歳代】教育費が家計を支配する年代――老後資金が後回しになる構造
40代から50代にかけての家計を大きく左右するのが、子どもの教育費です。進学段階が上がるにつれて支出は増え、私立進学や塾・習い事が重なると、家計の中で教育費が占める割合は一気に高まります。
以下は世帯主の年齢別の世帯ごとにかかる年間教育関連費のグラフです。

世帯主の年齢階級別1世帯当たり年間の教育関係費(二人以上の世帯)
・40歳代:45万6432円
・50歳代:53万6251円
と、平均だけで多くの教育費がかかっていることがわかります。
この時期の特徴は、教育費が「期間限定」と分かっていながら、家計の優先順位をほぼ独占してしまう点にあります。
結果として、老後資金は「余裕が出たら考えるもの」として後回しにされやすくなります。
しかし、教育費がピークを迎える年代は、多くの世帯にとって収入もまたピークに近づく時期です。このタイミングで老後資金の貯蓄に手をつけられなければ、
・住宅ローン返済
・教育費の支払い
・日常生活費
が落ち着いた後に、老後資金だけが十分に積み上がっていないという状況に陥りがちです。
教育費はやがて終わりますが、老後資金の準備期間はその分だけ短くなります。「教育費がかかるから今は仕方ない」という判断を続けているうちに、老後への備えを始める適切な時期を逃してしまうケースは少なくありません。
教育費の実態を正しく把握することは、子どものためだけでなく、その先に続く自分たちの老後生活を見据えるためにも欠かせない視点だと言えるでしょう。
【気になる老後】65歳以降、引退後の生活費《夫婦ふたり暮らしなら》ひと月約25万円の試算も
次に、老後の家計をより具体的にイメージするため、総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)」をもとに、「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の家計収支を見ていきます。
「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の家計収支

65歳以上の生活費
65歳以上の夫婦のみの無職世帯:毎月の収入
収入合計:25万2818円
・うち社会保障給付(主に年金):22万5182円
この世帯の月間収入は25万2818円で、そのうち22万5182円を公的年金などの社会保障給付が占めています。収入の大部分を年金に依存している点が特徴です。
65歳以上の夫婦のみの無職世帯:毎月の支出
支出合計28万6877円
・消費支出:25万6521円
・非消費支出:3万356円
一方、月間支出の合計は28万6877円。内訳を見ると、日々の生活費にあたる消費支出が25万6521円、税金や社会保険料などの非消費支出が3万356円となっています。
結果として、毎月およそ3万円の赤字が生じており、不足分は貯蓄の取り崩しなどで補う必要があります。この構造から、老後生活を安定させるには、現役時代からの備えが欠かせないことが分かります。
【50歳代からの老後資金準備】新NISAも選択肢のひとつに
老後に必要な生活資金は人それぞれ異なりますが、公的年金や退職金だけでは不足する可能性があることを前提に、早めの対策が求められます。
「人生100年時代」と言われる中で、老後資金への不安は多くの人が抱える共通課題です。ただし、「50歳代からでは遅い」と悲観する必要はありません。
資産運用で重要なのは、できるだけ長い運用期間を確保することです。時間を味方につけることで、価格変動の影響を抑えやすくなり、安定した運用につながりやすくなります。
年率3%で運用50歳から65歳「毎月3万円」で積立投資シミュレーション
具体的なイメージを持つため、一例として試算を行います。仮に50歳から65歳までの15年間、毎月3万円をNISAで積み立て、年率3%で運用できたと仮定します。
この場合、元本540万円に対して、運用益はおよそ139万円となり、資産総額は約679万円に増える計算です。
もちろん、これは一定条件下でのシミュレーションであり、実際の運用では元本割れのリスクもあります。
ただし、長期間にわたって分散投資を続ける方法は、リスクを抑えながら資産形成を目指す手段の一つとされています。

つみたてシミュレーション
インフレ対策を視野に入れた資産づくりを
では、この資金を銀行の普通預金や定期預金に預けていた場合、どの程度増えるのでしょうか。
大手銀行の普通預金金利は年0.2%前後が中心でしたが、近く引き上げられる見通しが示されています。ただし、現時点での実質的な水準は依然として低く、仮に年0.3%で運用できたとしても、大きな資産増加は期待しにくい状況です。
仮に540万円を15年間預け続けたとしても、得られる利息は数十万円程度にとどまります。
物価が緩やかに上昇するインフレ局面では、この利息分では生活コストの上昇を十分に補えず、結果としてお金の実質的な価値が目減りしてしまう可能性も否定できません。
年率1%にも満たない低金利環境のもとで、預金だけに頼って老後資金を増やしていくことは現実的とは言い難く、資産の一部を「増やす視点」で管理する必要性が高まっていると言えるでしょう。
NISAのメリットとは?
老後に向けた資産形成を考えるうえで、NISAは有効だと言われています。NISAの最大の特徴は、運用によって得た利益が非課税で受け取れるという点にあります。
先に示したシミュレーションでは、運用の結果として139万円の利益が生じていました。これを通常の課税口座で運用していた場合、この利益はそのまま受け取れるわけではありません。
株式や投資信託の利益には、所得税・復興特別所得税・住民税を合わせた約20%の税金が課されるためです。
139万円の利益に対して約20%が課税されると、税負担はおよそ30万円にのぼります。本来であれば、この金額を差し引かれた残りが実際に手元に残る利益となります。
しかし、NISA口座を利用していれば、こうした税金は一切かかりません。運用によって得られた139万円は、その全額を自分の資産として確保できるのです。税金による目減りがないという点は、長期で資産を育てていくほど、その差が大きくなっていきます。
この「利益をそのまま受け取れる仕組み」こそが、NISAが老後の資産形成において心強い制度だと評価されている理由と言えるでしょう。
これこそ、NISAが「個人の資産づくりの心強い味方」と言われる理由です。
まとめにかえて:老後資金を現実的に考えよう
働き盛りの40歳代・50歳代の貯蓄状況を見ていくと、平均値と中央値の差が大きく、貯蓄額の二極化が進んでいる現実が浮き彫りになります。
特に50歳代では、貯蓄額が500万円未満の世帯が約4割を占めており、多くの世帯が十分な貯蓄を確保できていない状況にあります。
一方で、65歳以上の無職夫婦世帯では、平均的な家計が毎月3万円を超える赤字となっていることも明らかになっています。
現役世代にとっては、住宅ローンや教育費といった目の前の支出への対応に追われがちですが、それと同時に老後の生活資金についても現実的に備えていく必要があります。
老後のお金に関する対策は、早く意識し始めるほど選択肢が広がります。NISAやiDeCoといった税制優遇制度を上手に取り入れながら、自分のライフステージに合った形で、無理のない資産形成を進めていくことが重要だと言えるでしょう。
参考資料
・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
・総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
・総務省統計局「家計調査」第3章 年齢階級別に見た暮らしの特徴
・金融庁「つみたてシミュレーター」
・金融庁「NISAを知る」
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