【申請しないと未支給になる】60歳・65歳以上が対象「老齢年金とは別に受け取れる」公的給付5選

「雇用保険関連」のお金3選・「老齢年金に上乗せしてもらえる」お金2選

長寿化が進む今、「仕事と年金を組み合わせて活用すること」が重要, シニアがもらえる「雇用保険関連」のお金3選, 【雇用保険関連のお金1】再就職手当(65歳未満), 【雇用保険関連のお金2】高年齢雇用継続給付, 【雇用保険関連のお金3】高年齢求職者給付金(65歳以上), シニアが「老齢年金に上乗せしてもらえる」お金2選, 【老齢年金に上乗せしてもらえる1】年金生活者支援給付金, 【老齢年金に上乗せしてもらえる2】加給年金, 年金改正「106万円の壁」とは?, 「社会保険の加入対象の拡大」短期労働者の加入要件の見直し

【申請しないと未支給になる】60歳・65歳以上が対象「老齢年金とは別に受け取れる」公的給付5選!

2月18日を迎え、確定申告の受付開始から数日が経過しました。

連日の冷え込みで暖房費の負担が重なりやすいこの時期は、家計管理の一環として、自身が受け取れる年金や給付金の仕組みを改めて確認するのに適したタイミングかもしれません。

「年金はすでに受給しているから自分には関係ない」と判断されている方でも、申請を行うことで受給できる制度が残っているケースは少なくありません。

特に働くシニア層が増えている現在、雇用保険から支払われるお金と、年金に加算されるお金の両方を知っておくことは、生活の安心感につながります。

そこで本記事では、「申請が必要な」給付金や手当を5種類選んで整理しました。

再就職手当・高年齢雇用継続給付・高年齢求職者給付金の3つに加え、老齢年金に加算される年金生活者支援給付金・加給年金の2つをわかりやすく解説します。

本来受け取ることのできるお金を漏らさず把握し、春の新生活に向けた備えとして役立ててみてはいかがでしょうか。

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長寿化が進む今、「仕事と年金を組み合わせて活用すること」が重要

内閣府「令和7年版高齢社会白書」によると、65~69歳では、男性の6割超、女性の4割超が働いています。

70歳代前半でも、男性は4割弱、女性は2割以上が就業しており、一定数のシニアが仕事を続けている状況です。

年齢が上がるにつれて就労する人の割合は徐々に低下しますが、シニア全体で見ると、就業率は緩やかに上昇しています。

もっとも、60歳を過ぎると賃金水準が下がるケースは少なくありません。

現役時代と同じ条件で働けないことや、健康面の理由から就労の継続が難しくなる場合もあるでしょう。

厚生労働省「令和6年簡易生命表の概況」によれば、日本人の平均寿命は男性81.09年、女性87.13年となっています。

65歳以上の年金世代にとっては、「公的年金」に加えて「働くこと」も、長期化する老後生活を支える重要な要素となっています。

次章以降では、シニア向けの給付金や手当のうち、申請しなければ受け取れない「雇用保険に関する給付」や、「公的年金に上乗せされる支援制度」について整理して解説していきます。

シニアがもらえる「雇用保険関連」のお金3選

働き続ける意欲のあるシニアを対象にした「雇用保険関連」の給付金について、代表的なものを3つ紹介します。

【雇用保険関連のお金1】再就職手当(65歳未満)

再就職手当は、失業後の早期再就職や起業を後押しするための給付です。

離職してから再就職、または事業開始までの期間が短いほど、受け取れる手当の額は多くなります。

再就職手当の支給要件

・対象者:雇用保険受給資格者で基本手当の受給資格がある人

・支給要件:対象者が雇用保険の被保険者となる、または事業主となって雇用保険の被保険者を雇用する場合で、基本手当の支給残日数(就職日の前日までの失業の認定を受けた後の残りの日数)が所定給付日数の3分の1以上あり、一定の要件に該当する場合に支給

再就職手当の給付率

・手当の額:就職等をする前日までの失業認定を受けた後の基本手当の支給残日数により下記のとおり給付率が異なります。(1円未満の端数は切り捨て)

再就職手当の額

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また、再就職手当を受給して再就職先で6カ月以上継続して働き、なおかつその6カ月間の賃金が離職前の賃金を下回っている場合には、「就業促進定着手当」の支給対象となります。

【雇用保険関連のお金2】高年齢雇用継続給付

高年齢雇用継続給付は、60歳以上65歳未満で就労を続ける人を支援する給付金です。

60歳時点と比べて賃金が一定割合以上低下した場合に支給されます。

高年齢雇用継続給付:支給要件

・対象者:雇用保険の被保険者期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の雇用保険の被保険者

・支給条件:賃金が60歳到達時の75%未満となった状態で働き続ける場合

高年齢雇用継続給付:支給率

・支給額:最高で賃金額の10%(※)相当額

※2025年3月31日以前に高年齢雇用継続給付の支給要件を満たす人は15%

【早見表】高年齢雇用継続給付(2025年4月1日以降)

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【早見表】高年齢雇用継続給付(2025年4月1日以降)

なお、老齢年金を受け取りながら厚生年金に加入し、「高年齢雇用継続給付」を受給する場合には、在職による年金の一部支給停止に加え、最大で標準報酬月額の4%(※)相当額が年金から差し引かれる点に注意が必要です。

※2025年3月31日以前に高年齢雇用継続給付の支給要件を満たす人は6%

【雇用保険関連のお金3】高年齢求職者給付金(65歳以上)

高年齢求職者給付金は、65歳以上で雇用保険に加入している人が失業した場合に、一時金として支給される給付です。

高年齢求職者給付金【誰がもらえる?】支給要件

・対象者:高年齢被保険者(65歳以上の雇用保険加入者)で失業した人

・支給要件:下記の全ての要件を満たした人

高年齢求職者給付金:給付金額

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高年齢求職者給付金:給付金額

・支給額

65歳未満の人が受け取る「失業手当」は、原則として4週間ごとに失業認定を受けたうえで分割して支給されますが、高年齢求職者給付金は一括で支給される点が大きな特徴となっています。

シニアが「老齢年金に上乗せしてもらえる」お金2選

シニアの生活と密接に関わる公的年金には、老齢年金そのものを補うための制度がいくつか用意されています。

ここでは、その中から、老齢年金を受給している人が一定の条件を満たした場合に「年金に上乗せして支給される」2つの給付制度について紹介します。

【老齢年金に上乗せしてもらえる1】年金生活者支援給付金

年金生活者支援給付金は、基礎年金を受給しており、かつ一定の所得基準を満たす人を対象とした給付です。

老齢基礎年金・障害基礎年金・遺族基礎年金のそれぞれに対応した給付金が用意されています。

本章では、シニアの生活との関わりが特に大きい「老齢年金生活者支援給付金」に焦点を当てて解説します。

老齢年金生活者支援給付金の支給要件

長寿化が進む今、「仕事と年金を組み合わせて活用すること」が重要, シニアがもらえる「雇用保険関連」のお金3選, 【雇用保険関連のお金1】再就職手当(65歳未満), 【雇用保険関連のお金2】高年齢雇用継続給付, 【雇用保険関連のお金3】高年齢求職者給付金(65歳以上), シニアが「老齢年金に上乗せしてもらえる」お金2選, 【老齢年金に上乗せしてもらえる1】年金生活者支援給付金, 【老齢年金に上乗せしてもらえる2】加給年金, 年金改正「106万円の壁」とは?, 「社会保険の加入対象の拡大」短期労働者の加入要件の見直し

老齢年金生活者支援給付金の支給要件

・65歳以上の老齢基礎年金の受給者

・同一世帯の全員が市町村民税非課税

・前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前生まれの方は80万6700円以下(※2)である

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれない

※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される

老齢年金生活者支援給付金の給付基準額

老齢年金生活者支援給付金の2025年度における給付基準額は、月額5450円です。

ただし、この金額はあくまで基準となる額であり、実際の支給額は月額5450円をもとに、保険料の納付済期間などを反映して算出されます。

最終的な給付額は、下記①と②を合算した金額となります。

①保険料納付済期間に基づく額(月額) = 5450円 × 保険料納付済期間 / 被保険者月数480月

②保険料免除期間に基づく額(月額) = 1万1151円 × 保険料免除期間 / 被保険者月数480月

たとえば、国民年金保険料を全期間(40年間)納付した場合、2025年度は「月額5450円=年額6万5400円」の給付金が支給されます(昭和16年4月1日生まれまでの方は計算が異なります)。

【老齢年金に上乗せしてもらえる2】加給年金

「加給年金」は、いわば年金における「扶養手当」や「家族手当」にあたる制度です。

老齢厚生年金を受給している人が、年下の配偶者や子どもを扶養している場合、一定の条件を満たすことで、年金額に上乗せして受け取ることができます。

加給年金の支給要件

厚生年金加入期間が20年(※)以上ある人:65歳到達時点(または定額部分支給開始年齢に到達した時点)

65歳到達後(もしくは定額部分支給開始年齢に到達した後)に被保険者期間が20年(※)以上となった人:在職定時改定時、退職改定時(または70歳到達時)

※または、共済組合等の加入期間を除いた厚生年金の被保険者期間が40歳(女性と坑内員・船員は35歳)以降15年から19年

それぞれ、所定の時点で「65歳未満の配偶者」または「18歳到達年度の末日までの子、もしくは1級・2級の障害状態にある20歳未満の子」がいる場合に、年金額へ上乗せして支給されます。

一方で、配偶者が老齢厚生年金(被保険者期間が20年以上のもの)や退職共済年金(組合員期間が20年以上のもの)を受給できる立場にある場合、あるいは障害厚生年金・障害基礎年金・障害共済年金などを受給している場合には、配偶者に対する加給年金は支給されません。

加給年金の給付額

長寿化が進む今、「仕事と年金を組み合わせて活用すること」が重要, シニアがもらえる「雇用保険関連」のお金3選, 【雇用保険関連のお金1】再就職手当(65歳未満), 【雇用保険関連のお金2】高年齢雇用継続給付, 【雇用保険関連のお金3】高年齢求職者給付金(65歳以上), シニアが「老齢年金に上乗せしてもらえる」お金2選, 【老齢年金に上乗せしてもらえる1】年金生活者支援給付金, 【老齢年金に上乗せしてもらえる2】加給年金, 年金改正「106万円の壁」とは?, 「社会保険の加入対象の拡大」短期労働者の加入要件の見直し

加給年金の給付額

参考までに、2025年度「加給年金」の年金額(年額)は以下のとおりです。

・配偶者:23万9300円

・1人目・2人目の子:各23万9300円

・3人目以降の子:各7万9800円

さらに、老齢厚生年金を受給している人の生年月日によっては、配偶者に対する加給年金額に、3万5400円から17万6600円の範囲で特別加算が上乗せされます。

なお、加給年金は、対象となる配偶者が65歳に到達すると支給が終了しますが、その配偶者が老齢基礎年金を受給する場合には、一定の条件を満たすことで「振替加算」が支給されます。

年金改正「106万円の壁」とは?

「年金制度改正法」が、2025年6月13日に成立しました。

パートなどで働く人の社会保険加入対象の拡大が盛り込まれています。

いわゆる「106万円の壁」の撤廃に繋がる大きな動きと言えるでしょう。

「社会保険の加入対象の拡大」短期労働者の加入要件の見直し

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年金制度改正 社会保険加入対象の拡大

2025年6月現在、パートタイムなどで働く短時間労働者の人が社会保険に加入する要件は、以下の5つをすべて満たす必要があります。

・週の所定労働時間が20時間以上

・2か月を超える雇用の見込みがある

・学生ではない

所定内賃金が月額8万8000円以上(←いわゆる「106万円の壁」に関連)

従業員数51人以上の企業で働いている

今回の改正では、このうち「賃金要件の撤廃」と「企業規模要件の撤廃」が盛り込まれました。

それにより、全国の最低賃金の引き上げ具合を見極めながら、いわゆる「106万円の壁」が3年以内に廃止されることになります。

また、社会保険に加入する企業規模も、10年かけて段階的に拡大され、最終的には働く企業の規模に関わらず加入するようになります。

まとめにかえて

老後、年金だけで生活を成り立たせるのは難しいのが現状です。

定年退職後も働いて収入を得ることを検討しているシニアの方も多いでしょう。

今回ご紹介した給付金や支援策は、働くシニアの方にも関係がある制度です。

自身で申請手続きをしなければ受け取れないものが多いため、給付金を取りこぼさないよう注意しましょう。

新年度は何かと出費がかさむ時期です。

公的な給付金もうまく活用し、家計にゆとりを持たせられるよう工夫してみましょう。

参考資料

・内閣府「令和7年版高齢社会白書」第2節 高齢期の暮らしの動向1 就業・所得

・厚生労働省「令和6年簡易生命表」1 主な年齢の平均余命

・厚生労働省「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」

・日本年金機構「年金と雇用保険の高年齢雇用継続給付との調整」

・厚生労働省「再就職手当のご案内」

・厚生労働省「離職されたみなさまへ<高年齢求職者給付金のご案内>」

・厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」

・日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」

・日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」

・日本年金機構「か行 加給年金額」

・日本年金機構「加給年金額と振替加算」

・厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」

・政府広報オンライン「パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象により手厚い保障が受けられます。」

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