65歳以上《老齢年金シニア》ごく標準的なひとり暮らし世帯なら、毎月の生活費はいくらかかる?
- 65歳以上《老齢年金シニア》ごく標準的なひとり暮らし世帯なら、毎月の生活費はいくらかかる?
- 65歳以上《単身》無職世帯ひと月の家計収支
- 【公的年金】2026年度(4月分~)厚生年金(報酬比例部分)+2.0%、国民年金(基礎年金)+1.9%増
- 【2026年度】国民年金と厚生年金の年金額例
- 厚生年金メイン vs 国民年金メイン「65歳以降の年金受給額、どれほど差がつく?」
- パターン①:男性・厚生年金期間中心
- パターン②:男性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
- パターン③:女性・厚生年金期間中心
- パターン④:女性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
- パターン⑤:女性・国民年金(第3号被保険者)期間中心
- 【2025年成立の年金制度改正】なにが、どう変わる?《見直しポイントまとめ》
- 年金制度改正の全体像《主な見直しポイント》
【公的年金】2026年度(4月分~)厚生年金(報酬比例部分)+2.0%、国民年金(基礎年金)+1.9%増

65歳以上《老齢年金シニア》ごく標準的なひとり暮らし世帯なら、毎月の生活費はいくらかかる?
新年度を目前に控え、家計の見直しをしておきたい時期ですが、そこで気になるのが加速する物価高です。
2026年2月10日に帝国データバンクが発表した「カレーライス物価指数」調査によると、2025年平均のカレーライス物価(※)は1食あたり349円となり、前年から15.6%(47円)上昇しました。
その背景には、コメ価格の記録的な高騰や野菜の不作、肉類の値上がりなどがあることは言うまでもありません。
こうした歯止めのかからない物価高は、年金生活を送るシニア世帯にとって大きな不安要素と言えるでしょう。
今回は、単身シニアの家計収支データを紹介しながら、「老後のお金」について考えていきます。
※カレーライス物価:カレーライスで使用する原材料や、調理にかかる水道光熱費などを帝国データバンクが独自に試算した指数。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
65歳以上《老齢年金シニア》ごく標準的なひとり暮らし世帯なら、毎月の生活費はいくらかかる?
総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」から、65歳以上の単身無職世帯のひと月の家計収支データを見ていきます。
65歳以上《単身》無職世帯ひと月の家計収支

出所:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
毎月の実収入:13万4116円
■うち社会保障給付(主に年金):12万1629円
毎月の支出:16万1933円
■うち消費支出:14万9286円
・食料:4万2085円
・住居:1万2693円
・光熱・水道:1万4490円
・家具・家事用品:6596円
・被服及び履物:3385円
・保健医療:8640円
・交通・通信:1万4935円
・教育:15円
・教養娯楽:1万5492円
・その他の消費支出:3万956円
■うち非消費支出:1万2647円
・直接税:6585円
・社会保険料:6001円
65歳以上《単身》無職世帯の家計は…
・ひと月の赤字:2万7817円
・エンゲル係数(消費支出に占める食料費の割合):28.2%
・平均消費性向(可処分所得に対する消費支出の割合):122.9%
老齢年金を受給して一人暮らしをするシニア世帯の家計は、どのような状況なのでしょうか。
この単身世帯のひと月の支出合計は16万1933円です。その内訳は、税金や社会保険料などの「非消費支出」が1万2647円、食費や住居費などの「消費支出」が14万9286円を占めます。
一方、ひと月の収入は13万4116円で、その約9割(12万1629円)は主に公的年金です。
エンゲル係数は28.2%、平均消費性向は122.9%。結果的に、この単身世帯は毎月2万7817円の赤字を抱えています。
ただし、この家計収支データには注意すべき点があります。まず、支出に「介護費用」が含まれておらず、住居費も1万円台と低めです。健康状態や住居環境によっては、これらの費用がさらに上乗せされることも考慮する必要があるでしょう。
また、「非消費支出」が示す通り、老後の年金暮らしが始まっても、税金や社会保険料の支払いは生涯続きます。
多くのシニアがこれらの費用を年金から天引きで納めている現実も踏まえ、年金収入と日常生活費だけではなく、こうした、固定費も考慮した生活設計が大切となるでしょう。
【公的年金】2026年度(4月分~)厚生年金(報酬比例部分)+2.0%、国民年金(基礎年金)+1.9%増
現役時代の年金加入状況によって、老後の受給額は一人ひとり異なります。加えて、年金額は物価や現役世代の賃金動向を踏まえ、毎年改定がおこなわれます。
2026年度の年金額は前年度より国民年金(基礎年金)が1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%引き上げられており、厚生労働省は以下の年金例を公表しています。
【2026年度】国民年金と厚生年金の年金額例
・国民年金(老齢基礎年金(満額):1人分):7万608円(+1308円)
・厚生年金(夫婦2人分):23万7279円(+4495円)
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額7万9408円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
国民年金の年金保険料は全員一律ですが、厚生年金は会社員や公務員などが加入し、収入に応じた保険料を納めるため個人差が表れやすくなります。
厚生年金メイン vs 国民年金メイン「65歳以降の年金受給額、どれほど差がつく?」
働き方や生き方が多様化する今、「将来、自分はどのくらいの年金を受け取れるんだろう?」と気になっている人もいるでしょう。
厚生労働省は、今回の年金改定の発表と同時に、多様なライフコースに応じた年金額例も示しています。
ここでは、年金加入経歴を5つのパターン(男性2パターン、女性3パターン)に分類し、「2026年度に65歳になる人」を想定した年金額の概算が提示されています。

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
パターン①:男性・厚生年金期間中心
年金月額:17万6793円
・平均厚生年金期間:39.8年
・平均収入:50万9000円※賞与含む月額換算。以下同じ。
・基礎年金:6万9951円
・厚生年金:10万6842円
パターン②:男性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
年金月額:6万3513円
・平均厚生年金期間:7.6年
・平均収入:36万4000円
・基礎年金:4万8896円
・厚生年金:1万4617円
パターン③:女性・厚生年金期間中心
年金月額:13万4640円
・平均厚生年金期間:33.4年
・平均収入:35万6000円
・基礎年金:7万1881円
・厚生年金:6万2759円
パターン④:女性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
年金月額:6万1771円
・平均厚生年金期間:6.5年
・平均収入:25万1000円
・基礎年金:5万3119円
・厚生年金:8652円
パターン⑤:女性・国民年金(第3号被保険者)期間中心
年金月額:7万8249円
・平均厚生年金期間:6.7年
・平均収入:26万3000円
・基礎年金:6万9016円
・厚生年金:9234円
上記のデータからは、厚生年金に長く加入し、かつ収入が高かった人ほど、老後の年金額は多くなる傾向があることが分かります。
現役時代に「国民年金の期間が中心だったか」「厚生年金の期間が中心だったか」により、老後の年金水準が大きく変わるわけですね。
働き盛りの現役世代にとって、いまの働き方や収入は、目前の家計だけではなく、遠い将来の年金額を左右する重要な要素となるのです。
【2025年成立の年金制度改正】なにが、どう変わる?《見直しポイントまとめ》
2025年6月13日、年金制度改正法が成立しました。働き方や家族構成などの多様化に合わせた年金制度の整備、私的年金制度の拡充などにより、老後の暮らしの安定や、所得保障機能の強化に繋げていくことが主な狙いです。
今回の改正の主な見直しポイントを整理していきましょう。
年金制度改正の全体像《主な見直しポイント》

出所:厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
社会保険の加入対象の拡大
・短時間労働者の加入要件(賃金要件・企業規模要件)の見直し(年収「106万円の壁」撤廃へ)
在職老齢年金の見直し
・支給停止調整額「月62万円」へ大幅緩和(2025年度は月51万円)
遺族年金の見直し
・遺族厚生年金の男女差を解消
・子どもが遺族基礎年金を受給しやすくする
保険料や年金額の計算に使う賃金の上限の引き上げ
・標準報酬月額の上限を、月65万円→75万円へ段階的に引き上げ
私的年金制度
・iDeCo加入年齢の上限引き上げ(3年以内に実施)
・企業型DCの拠出限度額の拡充(3年以内に実施)
・企業年金の運用の見える化(5年以内に実施)
こうした内容からも、公的年金制度は現役世代の働き方やライフプランと深い関わりを持っていることが分かります。
まとめにかえて
今回は、65歳以上のリタイア単身世帯の標準的な家計収支や、いまどきシニアの老齢年金事情に関するデータを見てきました。
現役時代の年金加入状況により、老後の年金額には個人差が出ます。とはいえ、「公的年金だけで老後の生活費をカバーできる世帯」は、決して多数派とは言えないでしょう。
資産形成をコツコツと進める、長く働き続ける、不労所得源を確保する、といった老後への準備は、現役時代の早い段階から意識していけると良いですね。
参考資料
・総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](2024年)」
・厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
・厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
【70歳代・二人の老後】いまどきシニアの貯蓄額《平均と中央値はいくら?》
【次の年金支給は4月15日】厚生年金【年額240万円超】もらっている人はどれほどいる?《一覧表》老齢年金の平均と個人差
ディズニーランドで何が起きている?オリエンタルランド株価下落の裏にある「投資家の入れ替わり」と「人口動態」【イズミダイズム】