【年金生活者支援給付金】「支給対象になる人」とは? 平均給付月額・申請手続きをやさしく解説
- 公的年金にプラスされる「年金生活者支援給付金」とはどんな制度?
- 【種類別】年金生活者支援給付金を受け取るための支給要件
- 障害年金・遺族年金生活者支援給付金の対象となる方
- 老齢年金生活者支援給付金の対象となる方
- データで見る年金生活者支援給付金の支給額と給付件数の実態
- 老齢年金生活者支援給付金の給付額別件数
- 障害年金生活者支援給付金の給付額別件数
- 遺族年金生活者支援給付金の給付額別件数
- 年金生活者支援給付金を受け取るには?具体的な手続きを解説
- ケース1:老齢年金の受給をこれから始める方(緑色の封筒)
- ケース2:すでに年金を受給している方(うす緑色の封筒)
- ケース3:老齢基礎年金を繰上げ受給中の方(うすだいだい色の封筒)
- 【参考】国民年金・厚生年金の平均受給月額はいくら?
- 国民年金の平均受給月額
- 厚生年金(国民年金を含む)の平均受給月額
申請しないともらえない《恒久的な支援制度》を確認しておこう!

【年金生活者支援給付金】「支給対象になる人」とは?平均給付月額・申請手続きをやさしく解説
4月に入り、桜の便りが聞かれる季節となりました。新年度が始まり、新たな生活をスタートさせた方も多いのではないでしょうか。
一方で、年金だけで今後の生活を維持できるのか、漠然とした不安を抱えている方も少なくないかもしれません。
特に、物価の上昇が続くなかでは、少しでも家計の助けとなる収入は心強いものです。
実は、公的年金とは別に、所得などの条件を満たすことで受け取れる「年金生活者支援給付金」という制度があるのをご存じでしょうか。
この記事では、どのような方が対象になるのか、いくら受け取れるのか、そして手続きはどのように進めればよいのか、年金生活者支援給付金の仕組みについて詳しく解説します。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
公的年金にプラスされる「年金生活者支援給付金」とはどんな制度?
年金生活者支援給付金制度は、年金を受給している方の生活を支援する目的で2019年に始まりました。
この給付金は、受給要件を満たす対象者に対し、2カ月に1度、公的年金の支給日に合わせて支給されます。

年金生活者支援給付金制度について
年金生活者支援給付金には3つの種類があり、受給している基礎年金に応じて「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」に分類されます。
つまり、それぞれの基礎年金を受け取っている方で、所得などの要件を満たした場合に給付の対象となります。
【種類別】年金生活者支援給付金を受け取るための支給要件
ここでは、年金生活者支援給付金の支給要件について、詳しく見ていきましょう。
障害年金・遺族年金生活者支援給付金の対象となる方
「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」の場合、それぞれの基礎年金(障害基礎年金または遺族基礎年金)を受給していることに加え、前年の所得が479万4000円以下であることが支給の条件です。
重要な点として、この所得の計算には、障害年金や遺族年金といった非課税収入は含まれません。
また、扶養親族の人数によって所得の基準額が引き上げられることも覚えておくとよいでしょう。
老齢年金生活者支援給付金の対象となる方

年金生活者支援給付金制度について
他方で、老齢年金生活者支援給付金の支給対象は、以下の要件をすべて満たす必要があります。
・65歳以上で老齢基礎年金を受給している
・同じ世帯に住む全員が市町村民税非課税である
・前年の公的年金などの収入金額と、給与所得や利子所得といったその他の所得の合計額が、生年月日に応じて定められた基準額(昭和31年4月2日以降生まれの方は80万9000円、昭和31年4月1日以前生まれの方は80万6700円)以下である
このように「老齢年金生活者支援給付金」では、ご自身の所得だけでなく世帯の状況も要件に含まれる点に注意が必要です。
この給付金の所得判定においても、障害年金や遺族年金などの非課税収入は計算に含まれません。
さらに、基準額をわずかに超えたことで給付の対象外となる方との公平性を保つため、「補足的老齢年金生活者支援給付金」という仕組みが設けられています。
この補足的な給付金の対象は、「昭和31年4月2日以降に生まれた方で所得合計額が80万9000円超90万9000円以下の方」と、「昭和31年4月1日以前に生まれた方で所得合計額が80万6700円超90万6700円以下の方」です。
データで見る年金生活者支援給付金の支給額と給付件数の実態
厚生労働省が公表した「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を基に、実際に支給された年金生活者支援給付金の平均月額を確認してみましょう。
2025年3月時点における平均給付月額(※)は、老齢年金生活者支援給付金で4146円、障害年金生活者支援給付金で5727円、遺族年金生活者支援給付金で5228円となっています。
※この金額は2025年3月時点で認定されている平均給付額です。
給付額ごとの件数の内訳は、以下のようになっています。
老齢年金生活者支援給付金の給付額別件数

老齢年金生活者支援給付金
・1000円未満:7万5101件
・1000円以上2000円未満:31万4450件
・2000円以上3000円未満:59万9166件
・3000円以上4000円未満:108万2177件
・4000円以上5000円未満:103万4357件
・5000円以上6000円未満:104万5423件
・6000円以上7000円未満:18万5291件
・7000円以上8000円未満:9万3265件
・8000円以上9000円未満:4万4796件
・9000円以上1万円未満:1万9891件
・1万円以上:1万524件
障害年金生活者支援給付金の給付額別件数

障害年金生活者支援給付金
・5000円以上6000円未満:149万3700件
・6000円以上7000円未満:68万3466件
遺族年金生活者支援給付金の給付額別件数

遺族年金生活者支援給付金
・1000円未満:ー
・1000円以上2000円未満:607件
・2000円以上3000円未満:1569件
・3000円以上4000円未満:ー
・4000円以上5000円未満:ー
・5000円以上:7万5531件
年金生活者支援給付金を受け取るには?具体的な手続きを解説
それでは、この給付金を受け取るためには、どのような手続きを踏む必要があるのでしょうか。

年金生活者支援給付金
手続きに漏れがないか心配になる方もいるかもしれませんが、年金生活者支援給付金の支給対象と判断された方には、日本年金機構から請求に関する書類が送付されます。
基本的には、その書類に必要事項を記入して返送すれば手続きは完了するため、過度に心配する必要はありません。
ただし、対象者の年金の受給状況によって書類の形式や手続きのタイミングが変わるため、3つのケースに分けて確認していきましょう。
ケース1:老齢年金の受給をこれから始める方(緑色の封筒)

年金請求書の封筒
まだ年金を受け取っていない方には、受給開始の3カ月前に、年金の受給手続きに必要な「年金請求書(事前送付用)」が届きます。
その際に、「年金生活者支援給付金請求書」も一緒に封入されています。
必要事項を記入した「年金生活者支援給付金請求書」を、年金の請求書とあわせて提出します。
ただし、請求書を提出できるのは年金の受給開始年齢に達する誕生日の前日からとなる点に注意が必要です。
ケース2:すでに年金を受給している方(うす緑色の封筒)

年金生活者支援給付金請求書の封筒
すでに基礎年金を受給している方でも、所得額の変動などによって新たに年金生活者支援給付金の対象となる場合があります。
そうした方々を対象に、毎年9月1日以降、「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が郵送されます。

令和7年度の年金生活者支援給付金請求書(はがき型)
はがきに必要事項を記入し、同封されている目隠しシールを貼付します。
その後、差出人欄に自身の住所と氏名を書き、切手を貼ってポストへ投函してください。
※支給要件に該当するかどうか確認が必要な方には、「年金生活者支援給付金請求書(A4型)」と、所得情報を確認するための「所得状況届」が送付されます。
ケース3:老齢基礎年金を繰上げ受給中の方(うすだいだい色の封筒)

年金生活者支援給付金の請求書封筒、繰上げ受給中の人用
最後に、老齢基礎年金を繰上げ受給している方の手続きについて見ていきます。
年金生活者支援給付金の受給資格が生じると見込まれる方には、65歳になる誕生月の初旬(1日生まれの場合は前月初旬)に「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が送られてきます。
この書類が届いたら、必要事項を記入して同封の目隠しシールを貼り、切手を貼ってからポストに投函しましょう。
※支給要件に該当するかどうか確認が必要な方には、「年金生活者支援給付金請求書(A4型)」と、所得情報を確認するための「所得状況届」が送付されます。
初回の手続きは必要ですが、その後は支給要件を満し続ける限り、給付金は継続して受け取れます。
もし支給要件に該当しなくなった場合には、「年金生活者支援給付金不該当通知書」が届き、給付金の支給は停止となります。
ちなみに、2025年1月以降に65歳になり、日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書(はがき)」が届いた方は、電子申請での提出も可能になっています。
電子申請で手続きを完了した場合、郵送での提出は不要です。
【参考】国民年金・厚生年金の平均受給月額はいくら?
参考として、現在の高齢者の方々が実際にどれくらいの公的年金を受け取っているのかを見てみましょう。
厚生労働省の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、国民年金と厚生年金の平均的な月額を紹介します。
国民年金の平均受給月額

国民年金の平均額(全年齢)
・〈全体〉平均年金月額:5万9310円
・〈男性〉平均年金月額:6万1595円
・〈女性〉平均年金月額:5万7582円
厚生年金(国民年金を含む)の平均受給月額

厚生年金の平均額(全年齢)
・〈全体〉平均年金月額:15万289円
・〈男性〉平均年金月額:16万9967円
・〈女性〉平均年金月額:11万1413円
年金の受給額は現役時代の働き方や加入状況によって決まるため、個人による差が大きいのが特徴です。
まとめ
本記事では、年金受給者の生活をサポートする「年金生活者支援給付金」について、対象者の条件や手続き方法を解説しました。
この給付金は自動的に支給されるものではなく、対象者ご自身による手続きが必要です。
日本年金機構から案内が届いた場合は、忘れずに手続きを進めるようにしましょう。
物価高など、家計を取り巻く状況は常に変化していますが、利用できる制度を正しく理解して活用することが、日々の安心につながります。
ご自身の状況が支給要件に該当するかどうかを確認し、より豊かなセカンドライフを送るための一助としてみてはいかがでしょうか。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
・厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金制度について」
・日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金の概要」
・厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
・日本年金機構「個人の方の電子申請(年金生活者支援給付金請求書)」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)送付用封筒」
・日本年金機構「65歳の誕生日を迎えた方で、老齢基礎年金を繰上げ受給している方」
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