KDDIグループ全体の売上高が2461億円過大に計上 傘下企業による巨額不正会計の実態
通信大手KDDI傘下の企業が、インターネットの広告代理事業で“巨額の不正会計”を行っていた問題。KDDIはこの不正によって、グループ全体の売上高が2461億円過大に計上されていたことを会見で発表しました。
傘下企業の「広告代理事業」の売り上げの99.7%が、架空取引によるものだったということです。何があったのでしょうか。小栗泉・日本テレビ特別解説委員が解説します。
■「ビッグローブ」「ジー・プラン」2社で架空取引繰り返す

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架空取引が繰り返されていたのは、KDDI傘下の「ビッグローブ」と「ジー・プラン」です。
この2社は、実際にはない広告の仕事があるかのように見せかけて、架空の広告主を作り上げ、広告代理店から仕事を受注。それを、もう1つの広告代理店に依頼する役割を果たしていました。
その広告代理店が、今度は最初の代理店に仕事をまわし、こうした仕組みを21社の代理店を使って繰り返すことで、2461億円にものぼる架空の売り上げを過大に計上していました。
ただ、この中でそれぞれの会社が手数料を得ていて、その手数料の元手を払っていたKDDIから、結果的に329億円が、外部に流出する形となりました。
■“業績が伸びすぎている”親会社のKDDIが調査・発覚

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──なぜこのようなことをしたのでしょうか?
この架空取引は「ジー・プラン」の社員「A氏」と「B氏」の2人によって行われたといいます。
主導したのは「A氏」で、そもそも自身がはじめた広告事業がふるわず、撤退も検討され始めた中、その焦りから、売り上げがあるかのように見せかけるため、架空取引を始めたといいます。
その後「B氏」も関わり、A氏の指示を受けてニセの報告書を作るなどして拡大していきました。
こうした架空取引は7年あまりにわたって行われ、業績が伸びすぎていることを不審に思った親会社のKDDIが調査して、発覚に至ったということです。
■なぜ不正に気づかなかった? 関係者への刑事告訴も検討
──7年もの間、誰も気づかなかったのでしょうか?
2人は架空取引の発覚を免れるために、この取り引きにほかの社員を関与させなかった。そして、ウソの成果レポートを作成してKDDIに報告するなどの手口を重ねていました。
また、通信会社のKDDI側は、広告代理業務に慣れておらず、また今回の広告というのは、「アフィリエイト広告」といって、SNSで商品などを紹介して、ユーザーが購入することで成果を得る形だったため、広告主がいないことに気づきにくかったと説明しています。
KDDIは今回の事態をうけて、この2社をネット広告代理事業から撤退させる、としています。
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──このA氏とB氏は見返りを受けていたのでしょうか?
2人は、「私的利益のためではない」と説明していますが、「A氏」のところには、広告代理店からキャバクラ代や飲食代などおよそ3000万円が支払われていたということです。
不正会計に詳しい公認会計士の岡村憲一郎さんは、「KDDIは子会社管理に関する規定はつくっていたものの形骸化していた」「今回の調査報告書ではKDDIの監督責任について明確には論じられていないが、不十分だった子会社の管理体制を早急に立て直す必要がある」と指摘しています。
この問題を受け、2社の社長らは辞任し、KDDIの会長・社長は月例報酬30%、3か月自主返納など、経営責任をとるということで、今後、関係者への刑事告訴も検討しているということです。
(4月1日放送『news zero』より)