【住民税非課税世帯】になる65歳以上の年収目安と5つの優遇措置|年金155万円・211万円がボーダーライン? 単身・夫婦の年収の壁も解説
- そもそも「住民税非課税世帯」とは?
- 65歳以上の約4割が「住民税非課税世帯」って本当?
- 【要件を整理】「住民税非課税世帯」に該当する3つのケースとは
- 住民税非課税世帯になる「所得のボーダーライン」はいくら?
- 【住民税非課税世帯になる年収】65歳以上の「単身・夫婦」ボーダーラインはいくら?
- 【65歳以上・単身世帯】住民税がかからない「年収のボーダーライン」
- 【65歳以上・夫婦世帯】住民税がかからない「年収のボーダーライン」
- 「住民税非課税世帯」が受けられる「5つの優遇措置」とは?
- 優遇措置1:国民健康保険料・介護保険料の減額措置
- 優遇措置2:国民年金保険料の免除・納付猶予制度
- 優遇措置3:医療費負担の軽減
- 優遇措置4:子育て世帯に嬉しい保育料の無償化
- 優遇措置5:高等教育の授業料減免・給付型奨学金
- 制度を知ることが生活を守る第一歩に
もらえる給付金や保険料の減額など、5つの支援を整理

【住民税非課税世帯】になる65歳以上の年収目安と5つの優遇措置|「年金155万円・211万円」がボーダーライン?単身・夫婦の「年収の壁」も解説
物価上昇や社会保険料の負担が続く中、給付金の報道などをきっかけに「住民税非課税世帯」という言葉を目にする場面が増えています。
住民税が非課税となる基準は、年齢や世帯の人数、収入の内訳によって異なり、単身世帯か夫婦世帯かによっても目安となる年収は大きく変わります。
また、対象となれば給付金や保険料の軽減など、生活を支える複数の優遇措置を受けられる可能性があります。
本記事では、65歳以上の単身世帯と夫婦世帯それぞれの年収の目安に加え、住民税非課税世帯が受けられる主な支援内容を分かりやすく紹介します。
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そもそも「住民税非課税世帯」とは?
まず、「住民税非課税世帯」とはどのような世帯を指すのか、基本的な仕組みを押さえておきましょう。
住民税は、所得に関係なく一定額がかかる「均等割」と、所得に応じて課される「所得割」の2つで成り立っています。
同一世帯の全員が住民税の均等割・所得割のいずれも課税されていない場合、その世帯は一般に住民税非課税世帯と扱われます。
では、「住民税非課税世帯」は日本にどの程度存在しているのでしょうか。
65歳以上の約4割が「住民税非課税世帯」って本当?
厚生労働省「令和6年 国民生活基礎調査」によれば、住民税が課税されている世帯の割合は年代によって大きく異なる傾向が見られます。

住民税が課税されている世帯の割合
・29歳以下:63.0%
・30〜39歳:87.5%
・40~49歳:88.2%
・50~59歳:87.3%
・60~69歳:79.8%
・70~79歳:61.3%
・80歳以上:52.4%
・65歳以上(再掲):61.1%
・75歳以上(再掲):54.4%
30〜59歳では約88%と高い水準にある一方、70歳以上ではおおむね50〜60%程度まで低下します。
とくに80歳以上になると約52%まで下がり、年齢が高くなるほど、住民税非課税世帯の割合が相対的に増えていくことが分かります。
この背景には、定年退職によって給与収入がなくなり、収入の中心が年金へ移行することに加え、高齢者のほうが非課税となる要件が比較的緩やかに設定されている点があります。
そのため、収入構造が大きく変わる65歳前後の時期には、住民税の扱いや非課税世帯の基準を把握しておくことが重要です。
次章では、「住民税非課税世帯」に該当する具体的な3つのケースを確認していきます。
【要件を整理】「住民税非課税世帯」に該当する3つのケースとは
住民税非課税世帯の基準は自治体ごとに設定されていますが、参考として東京都港区では一定の要件が示されています。
・その年の1月1日現在で、生活保護法による生活扶助を受けている人
・障害者、未成年者、ひとり親、寡婦(夫)の人で、前年の合計所得が135万円以下(給与収入なら204万4000円未満)、(令和2年度までは125万円以下)の人
・前年の合計所得が一定の所得以下の人
なかでも、「前年の合計所得が一定額以下であること」という条件については、地域によって基準となる金額が異なります。
そのため、具体的な所得水準を知りたい場合は、住んでいる自治体の公式ホームページなどで確認することが大切です。
次章では参考例として、神戸市の基準を取り上げ、住民税非課税世帯となる所得の目安を確認していきます。
住民税非課税世帯になる「所得のボーダーライン」はいくら?
住民税非課税世帯に該当するかどうかは、「前年の合計所得が自治体ごとに定められた基準額を下回っているか」が重要な判断材料の一つであり、その基準は自治体ごとに異なります。
参考として、神戸市では前年の合計所得金額が一定の水準以下である場合、住民税は課されず、非課税世帯として扱われます。
・35万円×(本人+同一生計配偶者※+扶養親族数)+10万円+21万円
・ただし、21万円は同一生計配偶者※又は扶養親族がいる場合のみ加算します。
・※同一生計配偶者とは、納税義務者と生計を一にする配偶者で、前年の合計所得金額が58万円以下の方
なお、ここでいう「所得」とは、年収から各種控除を差し引いた後の金額を指しており、年収そのものと同じではない点に注意が必要です。
次章では、住民税非課税世帯に該当するための「年収の目安」について見ていきます。
【住民税非課税世帯になる年収】65歳以上の「単身・夫婦」ボーダーラインはいくら?
神戸市では、住民税非課税世帯に該当する収入の目安が示されています。
【65歳以上・単身世帯】住民税がかからない「年収のボーダーライン」

単身者の場合
・給与収入のみで収入金額が110万円以下の方
・年金収入のみで収入金額が155万円以下の方(65歳以上の場合)
・年金収入のみで収入金額が105万円以下の方(65歳未満の場合)
65歳以上の単身世帯で収入が年金のみの場合、年金収入が155万円以下であれば、住民税非課税世帯となる年収の目安とされています。
【65歳以上・夫婦世帯】住民税がかからない「年収のボーダーライン」

65歳以上・夫婦世帯の場合
・給与収入のみで収入金額が166万円以下の方
・年金収入のみで収入金額が211万円以下の方(65歳以上の場合)
・年金収入のみで収入金額が171万3334円以下の方(65歳未満の場合)
65歳以上の夫婦世帯などでは、収入が年金のみの場合、年金収入が211万円以下であれば、住民税非課税世帯に該当する水準とされています。
このように、住民税の課税・非課税の判断は、収入の種類や世帯の構成によって異なるため、自分の状況に照らし合わせて基準を確認しておくことが重要です。
では、「住民税非課税世帯」に該当することで受けられる優遇措置には、どのようなものがあるのでしょうか。
「住民税非課税世帯」が受けられる「5つの優遇措置」とは?
住民税非課税世帯への支援といえば給付金が注目されがちですが、それ以外にもさまざまな優遇制度が整えられています。
本章では、給付金以外に利用できる住民税非課税世帯向けの主な優遇措置について詳しく解説します。
優遇措置1:国民健康保険料・介護保険料の減額措置
所得に応じて、国民健康保険料のうち世帯人数などに基づいて課される均等割・平等割が軽減されます。
減額割合は「7割・5割・2割」のいずれかで、所得が低い世帯ほど負担が抑えられる仕組みです。
さらに、65歳以上の第1号被保険者については、所得状況に応じて介護保険料の軽減措置が設けられています。
軽減内容や金額は自治体によって異なりますが、住民税非課税世帯では比較的低い保険料区分が適用されるケースが多くなっています。
優遇措置2:国民年金保険料の免除・納付猶予制度
経済的な理由で保険料の支払いが難しい場合には、所得状況に応じて全額免除・一部免除・納付猶予といった制度を利用することが可能です。
免除された期間についても、将来受け取る年金額に一定割合が反映されるため、未納のままにするより不利になりにくい仕組みとなっています。
ただし、免除を受けたまま追納を行わない場合は、将来の年金額が少なくなる点に留意が必要です。
優遇措置3:医療費負担の軽減
低所得者(住民税非課税世帯)の場合、申請を行うことで医療費の自己負担額を一定の限度まで抑えることができます。
たとえば名古屋市では、住民税非課税世帯の医療機関での自己負担割合が低く設定されています。

高額医療費の自己負担限度額表
さらに、入院時の食費などについても、自治体によっては申請により減額措置を受けられる場合があります。
優遇措置4:子育て世帯に嬉しい保育料の無償化
住民税非課税世帯の場合、0歳から2歳までの子どもの保育料が無料となります。
3歳から5歳については全世帯が無償化の対象となるため、この制度により就学前の保育料負担は大きく軽減されます。
優遇措置5:高等教育の授業料減免・給付型奨学金
住民税非課税世帯の学生は、大学や短期大学、専門学校などにおいて授業料や入学金の減免を受けられるほか、返済不要の給付型奨学金の対象となります。
経済的な理由で進学をあきらめずに済むよう、後押しする仕組みとして利用できる制度です。
制度を知ることが生活を守る第一歩に
本記事では、65歳以上の単身世帯と夫婦世帯それぞれの年収の目安に加え、住民税非課税世帯が受けられる主な支援内容について解説しました。
住民税非課税世帯の基準は、年齢や世帯構成、収入の種類によって大きく異なり、とくに65歳以上では年金収入を中心とした生活に切り替わることで該当する可能性が高まります。
基準を正しく把握しておくことで、自分が対象となるかどうかを判断しやすくなり、給付金だけでなく保険料や医療費負担の軽減など、さまざまな支援を活用できる可能性が広がります。
老後の生活を安定させるためにも、自身の収入状況や世帯条件を確認し、利用できる制度を把握しておくことが重要でしょう。
参考資料
・財務省「住民税について教えてください。所得税とはどう違うのですか?そもそも国税と地方税の違いはなんですか?」
・神戸市「住民税(市県民税)とは」
・神戸市「いくらまでの収入なら住民税(市県民税)が課税されませんか?」
・厚生労働省「令和6年国民生活基礎調査」
・厚生労働省「国民健康保険の保険料・保険税について」
・板橋区「介護保険料の軽減制度」
・日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」
・こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化概要」
・文部科学省「高等教育の修学支援新制度」
・名古屋市「高額療養費」
・明石市「国保で受けられる給付」
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