【次回6月支給分から】「厚生年金・国民年金」の年金額が増えます《働き方でどう変わる?》5つのライフコース別、年金受給額の目安
- 公的年金の基本。「3つの保障」と「2階建て構造」とは?
- 【基本】「国民年金」と「厚生年金」の違いをわかりやすく解説
- 1階部分にあたる「国民年金」の概要
- 2階部分にあたる「厚生年金」の概要
- 2026年(令和8年)の年金支給日一覧。原則は偶数月の15日
- 【2026年度】年金額は増額へ。モデルケースの受給額は?
- 2026年度における国民年金・厚生年金の受給額モデル
- 働き方でどう変わる?「5つのライフコース別」年金受給額の目安
- パターン1:厚生年金が中心の男性の場合
- パターン2:国民年金(第1号)が中心の男性の場合
- パターン3:厚生年金が中心の女性の場合
- パターン4:国民年金(第1号)が中心の女性の場合
- パターン5:国民年金(第3号)が中心の女性の場合
- 全体の平均受給額は?厚生年金・国民年金の平均月額と男女差
- 厚生年金の平均月額:男女差と受給額の分布
- 国民年金の平均月額:男女差と受給額の分布
- まとめ:まずは自身の年金見込額の確認から
2026年度の年金額:基礎年金(国民年金部分)が1.9%、厚生年金(報酬比例部分を含む)が2.0%の引き上げ

【次回6月支給分から】「厚生年金・国民年金」の年金額が増えます《働き方でどう変わる?》5つのライフコース別、年金受給額の目安
4月も下旬に差し掛かり、新生活の喧騒もひと段落した頃でしょうか。
この時期は、落ち着いて家計や将来のライフプランを見直すのに適したタイミングといえるかもしれません。
ファイナンシャル・アドバイザーとしてご相談を受けるなかで、特に50歳代や60歳代の方からは「老後資金」に関するお悩みが寄せられることが多くあります。
その中心となるのが、やはり「公的年金」です。
今回は、2026年度の年金額改定(基礎年金1.9%・厚生年金2.0%増額)という最新情報も踏まえつつ、年金の基本的な仕組みを解説します。
さらに、現役時代の働き方が将来の受給額にどう影響するのか、「5つのライフコース別」の具体的なシミュレーションもご紹介します。
将来の安心のために、まずはご自身の年金について理解を深めてみませんか。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
公的年金の基本。「3つの保障」と「2階建て構造」とは?
日本の公的年金制度には、老後の生活を支える「老齢年金」以外にも、2つの大切な保障機能があります。
一つは、病気やケガによって仕事や生活に支障が出た場合に受け取れる「障害年金」です。
もう一つは、家計を支えていた方に万が一のことがあった場合に、遺された家族が受け取れる「遺族年金」です。
一般的に「年金」と聞くと、リタイア後に受け取る「老齢年金」を思い浮かべる方が多いかもしれませんね。
【基本】「国民年金」と「厚生年金」の違いをわかりやすく解説
日本の公的年金は、しばしば「2階建て構造」に例えられます。
1階部分が「国民年金(基礎年金)」、そして2階部分が「厚生年金」で構成されています。
この構造により、現役時代の働き方や加入状況が、将来受け取る年金額に直接影響を及ぼす仕組みになっています。
ここでは、「国民年金」と「厚生年金」の基本的な違いと、それぞれの「老齢年金の受給額」について確認していきましょう。

1階部分にあたる「国民年金」の概要
加入対象者は?
・原則として日本に居住する20歳から60歳未満のすべての方(職業や国籍は問いません)
年金保険料は?
・全員一律ですが、年度ごとに改定されます(※1)
老齢年金の受給額は?
・保険料を全期間(480カ月)納付した場合、65歳以降に満額(※2)の老齢基礎年金を受け取ることができます
※1 国民年金保険料:2026年度の月額は1万7920円です。
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2026年度の月額は7万608円です。
2階部分にあたる「厚生年金」の概要
加入対象者は?
・会社員や公務員のほか、パートタイマーなどで特定適用事業所(※3)に勤務し、一定の要件を満たした方が国民年金に上乗せして加入します
年金保険料は?
・収入に応じて変動します(上限あり)(※4)
老齢年金の受給額は?
・加入期間や納付した保険料額によって個人差が生じます
このように、国民年金と厚生年金とでは、加入対象者、保険料の決定方法、老齢年金額の計算方法などが異なっています。
そのため、現役時代の年金加入履歴によって、実際に受け取る老齢年金額には必然的に個人差が生まれるのです。
※3 特定適用事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まず、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業などを指します。
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)と標準賞与額(上限150万円)に保険料率を乗じて計算されます。
2026年(令和8年)の年金支給日一覧。原則は偶数月の15日
公的年金は、原則として「偶数月の15日(※5)」に、直前の2カ月分がまとめて支給される後払い方式です。
2026年の「年金支給日」と「支給対象月」は以下の通りです。

2026年の年金支給日
・2026年2月13日(金):2025年12月・2026年1月分
・2026年4月15日(水):2月・3月分
・2026年6月15日(月): 4月・5月分
・2026年8月14日(金): 6月・7月分
・2026年10月15日(木): 8月・9月分
・2026年12月15日(火): 10月・11月分
※5 支給日の15日が土日・祝日にあたる場合は、その直前の平日に前倒しで支給されます。
【2026年度】年金額は増額へ。モデルケースの受給額は?

令和8年度の年金額の例
2026年度の年金額は、前年度と比較して増額改定されることが決まっています。
具体的には、基礎年金(国民年金部分)が1.9%、厚生年金(報酬比例部分を含む)が2.0%の引き上げとなります。
この改定後の年金額は、4月・5月分がまとめて支給される6月支給分から適用されます。
2026年度における国民年金・厚生年金の受給額モデル
・国民年金(老齢基礎年金・満額、1人分):月額7万608円(前年度比+1300円)
・厚生年金(夫婦2人分):月額23万7279円(前年度比+4495円)
※昭和31年4月1日以前に生まれた方の老齢基礎年金の満額は月額7万408円(対前年度比+1300円)です。
※厚生年金の金額は、男性が平均的な収入(平均標準報酬月額45万5000円、賞与含む)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金満額)の給付水準です。
厚生労働省は今回の年金改定の公表に際し、「多様なライフコースに応じた年金額」として、現役時代の働き方や収入ごとの年金額例も示しています。
働き方でどう変わる?「5つのライフコース別」年金受給額の目安
年金の加入期間や現役時代の収入によって、将来の年金額はどのように変化するのでしょうか。
厚生労働省は、2026年度の年金額改定内容とあわせて、「多様なライフコースに応じた年金額」を公表しました。
この資料では、「2026年度に65歳になる方」を対象に、公的年金の加入履歴や性別に応じた「合計5パターン」の年金概算額が提示されています。
パターン1:厚生年金が中心の男性の場合
年金月額:17万6793円
・平均厚生年金期間:39.8年
・平均収入:50万9000円※賞与含む月額換算。以下同じ。
・基礎年金:6万9951円
・厚生年金:10万6842円
パターン2:国民年金(第1号)が中心の男性の場合
年金月額:6万3513円
・平均厚生年金期間:7.6年
・平均収入:36万4000円
・基礎年金:4万8896円
・厚生年金:1万4617円
パターン3:厚生年金が中心の女性の場合
年金月額:13万4640円
・平均厚生年金期間:33.4年
・平均収入:35万6000円
・基礎年金:7万1881円
・厚生年金:6万2759円
パターン4:国民年金(第1号)が中心の女性の場合
年金月額:6万1771円
・平均厚生年金期間:6.5年
・平均収入:25万1000円
・基礎年金:5万3119円
・厚生年金:8652円
パターン5:国民年金(第3号)が中心の女性の場合
年金月額:7万8249円
・平均厚生年金期間:6.7年
・平均収入:26万3000円
・基礎年金:6万9016円
・厚生年金:9234円
上記はあくまで一例ですが、厚生年金の加入期間が長く、現役時代の収入が高いほど、老後に受け取る年金額も多くなる傾向がわかります。
また、国民年金と厚生年金のどちらを中心に加入していたかが、年金水準に大きな影響を与えていることも見て取れます。
全体の平均受給額は?厚生年金・国民年金の平均月額と男女差
老後に受け取る年金額は、現役時代の年金加入状況によって一人ひとり異なります。
ここでは、60歳から90歳以上のすべての受給権者を対象とした、厚生年金と国民年金の受給額分布を見ていきましょう。

厚生年金平均月額

国民年金平均月額
厚生年金の平均月額:男女差と受給額の分布
厚生年金の平均受給月額は、全体で15万289円です。
男女別の内訳は以下の通りです。
・男性:平均16万9967円
・女性:平均11万1413円
※国民年金部分を含みます。
年金月額階級ごとの受給者数
・~1万円:4万3399人
・1万円以上~2万円未満:1万4137人
・2万円以上~3万円未満:3万5397人
・3万円以上~4万円未満:6万8210人
・4万円以上~5万円未満:7万6692人
・5万円以上~6万円未満:10万8447人
・6万円以上~7万円未満:31万5106人
・7万円以上~8万円未満:57万8950人
・8万円以上~9万円未満:80万2179人
・9万円以上~10万円未満:101万1457人
・10万円以上~11万円未満:111万2828人
・11万円以上~12万円未満:107万1485人
・12万円以上~13万円未満:97万9155人
・13万円以上~14万円未満:92万3506人
・14万円以上~15万円未満:92万9264人
・15万円以上~16万円未満:96万5035人
・16万円以上~17万円未満:100万1322人
・17万円以上~18万円未満:103万1951人
・18万円以上~19万円未満:102万6888人
・19万円以上~20万円未満:96万2615人
・20万円以上~21万円未満:85万3591人
・21万円以上~22万円未満:70万4633人
・22万円以上~23万円未満:52万3958人
・23万円以上~24万円未満:35万4人
・24万円以上~25万円未満:23万211人
・25万円以上~26万円未満:15万796人
・26万円以上~27万円未満:9万4667人
・27万円以上~28万円未満:5万5083人
・28万円以上~29万円未満:3万289人
・29万円以上~30万円未満:1万5158人
・30万円以上~:1万9283人
厚生年金の平均受給月額は、全体では約15万円ですが、男性が約17万円、女性が約11万円と男女で差が見られます。
また、月額1万円未満の方から25万円を超える方まで幅広く分布しており、個人差が大きいことがわかります。
国民年金の平均月額:男女差と受給額の分布
国民年金の平均受給月額は、全体で5万9310円です。
男女別の内訳は以下の通りです。
・男性:平均6万1595円
・女性:平均5万7582円
年金月額階級ごとの受給者数
・1万円未満:5万1828人
・1万円以上~2万円未満:21万3583人
・2万円以上~3万円未満:68万4559人
・3万円以上~4万円未満:206万1539人
・4万円以上~5万円未満:388万83人
・5万円以上~6万円未満:641万228人
・6万円以上~7万円未満:1715万5059人
・7万円以上~:299万7738人
国民年金の平均受給月額は、男女ともに5万円台で、最も多い層は「6万円以上~7万円未満」です。
多くの方が満額に近い年金額を受け取っている一方で、月額1万円未満となる方も一定数いることがわかります。
まとめ:まずは自身の年金見込額の確認から
この記事では、公的年金の基本的な仕組みや2026年度の最新情報、そして現役時代の働き方が受給額に与える影響について見てきました。
分布データが示すように、厚生年金で月額30万円以上を受給している方は全体の0.1%未満です。
現役時代と同じ水準の生活費を年金だけでまかなうことは、非常に難しいのが現実といえるでしょう。
漠然とした不安を抱えるのではなく、まずは「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用して、ご自身のリアルな受給見込み額を確認してみてはいかがでしょうか。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
・日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
・日本年金機構 年金用語集「た行 特定事業所」
・日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
・厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
・厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・日本年金機構「Q.年金はいつ支払われますか」
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