【6月1日から】病院の窓口負担に「上乗せ」がある? 2026年診療報酬改定のポイント。医療従事者の賃上げ支援と「マイナ保険証」利用で変わる、領収書の見慣れない項目

領収書のここをチェック!新設された「ベースアップ評価料」「物価対応料」とは

診療報酬は3.09%引き上げ、30年ぶりの高水準, そもそも「診療報酬」とは, 何が変わる?2026年診療報酬改定のポイント, 「ベースアップ評価料」の水準等の見直し, 「物価対応料」の新設, 「電子的診療情報連携体制整備加算」の新設, 改定の背景を知ることが、正しく制度を理解する一歩に

【6月1日から】病院の窓口負担に「上乗せ」がある? 2026年診療報酬改定のポイント。医療従事者の賃上げ支援と「マイナ保険証」利用で変わる、領収書の見慣れない項目

2026年度の診療報酬改定が6月1日から施行されます。これにより、医療サービスの価格が変更となり、受ける医療サービスの内容によっては患者側の窓口負担が変わることになります。

今回の改定では、「物価や賃金、人手不足等への対応」「安心・安全で質の高い医療の推進」「2040年頃を見据えた医療提供体制の構築」「社会保障制度の安定・持続性の確保」という4つの方向性が示されました。

患者にとって気になるのは、「結局、窓口で支払う金額は増えるのか」という点です。実際には、受診のたびに大幅な負担増になるというより、領収書や明細書に見慣れない項目が増えたり、自己負担が上乗せされるケースが中心になりそうです。

そこで今回は、2026年の診療報酬改定で何が変わるのか、領収書の何に注目すればよいのか、患者目線で整理します。

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診療報酬は3.09%引き上げ、30年ぶりの高水準

2026年度の診療報酬改定では、診療報酬(本体部分)が2年度平均で3.09%引き上げられ、これは1996年度改定以来30年ぶりの高水準です。一方、薬価等は0.87%の引き下げとなり、全体では2.22%の改定となります。

そもそも「診療報酬」とは

診療報酬とは、医療機関が患者に提供する診療や検査、投薬など、医療行為ごとに細かく決められている点数のことです。診療行為に対する価格が点数で表現されているのを、明細等で確認される方も多いと思います。

診療報酬の1点は10円として計算され、これは全国一律の仕組みです。

たとえば、診療報酬が合計で1000点であれば、医療機関が受け取るのは10000円です。このうち、私たちが自己負担として支払っているのは3000円、残りは加入する健康保険から支払われることになります。

診療報酬の点数は2年に1回、見直されます。これが今回の診療報酬改定です。

何が変わる?2026年診療報酬改定のポイント

今回の改定では、

・ベースアップ評価料の水準等の見直し

・物価対応料の新設

・電子的診療情報連携体制整備加算の新設

・入院基本料等の引き上げ、入院時の食費・光熱水費の見直し

が含まれています。

たとえば、上記の「ベースアップ評価料水準等の見直し」は、賃上げや物価上昇への対応を目的とした見直しで、これにより窓口での自己負担が、数十円から数百円ほど増えるケースも出てきます。

今回の改定は、医療を支える人材確保と、医療機関の運営を維持するための費用を、診療報酬を通じて支える仕組みだといえます。

では、具体的に各項目を見ていきましょう。

「ベースアップ評価料」の水準等の見直し

ベースアップ評価料とは?

今回、患者が最も目にしやすい新項目のひとつが「ベースアップ評価料」です。この評価料は、医療機関が継続的に人件費を確保しやすくするための仕組みで、医療従事者の賃上げを支援するために2024年度に新設されました。

ベースアップ評価料の算定には届出が必要で、医療機関ごとに対応が分かれます。診療明細書に、この記載があれば実際には賃上げ支援のための制度であると理解しましょう。

今回の改定では、点数が大きく見直されています。

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ベースアップ評価料の改定

初診時:(現行)6点 → (改定後)17点

再診時:(現行)2点 → (改定後)4点

訪問診療時(同一建物居住者以外):(現行)28点 → (改定後)79点

訪問診療時(上記以外):(現行)7点 → (改定後)19点

さらに、新規に届け出る医療機関と既に届け済みの医療機関で加算される点数が異なります。

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加算される点数の違い

既に届け出済みの医療機関の方が診療報酬が高くなっていることがわかります。そのため、患者側の負担もその分大きくなる可能性があります。

「物価対応料」の新設

今回の改定では、令和8年および9年度の物価上昇に段階的に対応するため、新たに物価対応料が新設されます。

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物価対応料の新設

【外来・在宅物価対応料】

初診時:(令和8年)2点 → (令和9年)4点

再診時:(令和8年)2点 → (令和9年)4点

訪問診療時:(令和8年)3点 → (令和9年)6点

3割負担なら、令和8年の初診では6円、令和9年は12円の自己負担増に相当します。

「電子的診療情報連携体制整備加算」の新設

今回の改定では、「電子的診療情報連携体制整備加算」が新設され、従来の加算体系が整理され、電子的な情報連携やオンライン資格確認など、医療機関側のデジタル対応を評価する仕組みがより明確になりました。

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電子的診療情報連携体制整備加算の新設

たとえば「マイナ保険証の利用率が30%以上」であることなど、医療機関が満たす基準項目範囲に応じて、電子的診療情報連携体制整備加算1、加算2、加算3のいずれかが算定されます。

評価されるのは、患者個人がその場で何を選んだかというより、医療機関がどこまでデジタル環境を整えているか、診療情報を活用できる体制があるかという点です。

改定の背景を知ることが、正しく制度を理解する一歩に

今回の記事では、2026年の診療報酬改定で何が変わるのか、領収書の何に注目すればよいのかについてお伝えしました。

2026年度の診療報酬改定では、ベースアップ評価料や物価対応料、電子的診療情報連携体制整備加算など、患者の領収書に新しい項目が現れやすくなります。

窓口負担が一律に大きく増えるというより、受診先や受ける医療の内容によって、数十円単位の上乗せが生じる場面が中心といえそうです。

医療機関ごとに届出や体制整備の状況が異なるため、領収書の記載も一律ではありません。見慣れない項目があったときは、今回の改定で新設・見直しされた加算ではないか確認してみるとよいでしょう。

なお、本文では詳しく触れませんでしたが、入院時の食費は原則40円、光熱水費は原則60円引き上げられており、入院患者ではこちらの影響にも注意が必要です。

参考資料

・厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について【全体概要版】」

・日本医師会「なるほど!診療報酬」

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